女神アテネ(アテナ)はどんな女神?!ギリシャ神話の逸話を紹介!

こんにちは!
あなたは、女神アテネ(アテナ)は、ご存知ですか?
小説・漫画・アニメ・ゲームにはよく登場していますが、もともとはギリシャ神話に出てくる女神です。
女神アテネはいろいろな呼び方をされているんです。
代表的なもので、アテネ・アテナ・アテーナー・ミルネヴァなどがありますね。
今日はそんな女神アテネを話題を中心に記事を書いていきたいと思います。
Contents
女神アテネ(アテナ)ってどんな女神?
女神アテネは、知恵・芸術・工芸・戦略の女神で「知性の女神」と呼ばれています。
ゼウスやポセイドンなどと同じ「オリュンポス十二神」のひとりでもあります。
また、女神アテネは処女の誓いを立てた処女神でもあります。
- 女神アテネ
- 狩猟の女神アルテミス
- 炉の女神ヘスティア
この三大処女神は、愛と美と性を司る「女神アフロディーテ」の神の力が及ばない女神たちです。
女神アテネの象徴として
- フクロウ:輝く瞳を持つという意味(アテネの聖獣)
- オリーブ:平和を表す(アテネの聖木)
- ヘビ:知恵を表す
などが挙げられます。
他にも、さまざまな都市の守護神として祀られています。
有名な都市では、オリンピックを開催したギリシャ共和国の首都「アテナイ(現在のアテネ)」です。
「アテナイ」の世界遺産にも指定されている「パンテノン神殿」に、女神アテネが祀られています。
女神アテネの生誕
女神アテネは、天空神の神「ゼウス」と海神「オケアノス」の娘である知性の神「メティス」との間に生まれています。
メティスが身ごもった時にゼウスは、祖母である大地の女神「ガイア」から、「その子は、知恵も勇気も持った素晴らしい女神になる、そして次に男の子が生まれてゼウスの王座を奪い取るだろう」と予言しました。
そこでゼウスは、何にでも姿を変えられるメティスに「さすがのお前でも、一滴の水滴にはなれないだろう」と挑発しました。
挑発されたメティスは、一滴の水滴に姿を変えました。
ゼウスは、水滴になったメティスを飲み込んでしまいました。
ゼウスの身体の中で生き続けたメティスは、ゼウスに物事の良し悪しを助言しました。
そしてメティスを体内に取り込んだゼウスは「知恵の根源」を自分の体内に持つことができたのです。
しばらくしてゼウスは、激しい頭痛に襲われます。
そこでゼウスは、ゼウスの息子の鍛冶神「ヘパイトス」に「ラブリュ」と呼ばれる斧でゼウスの額を割らせました。
すると割れたゼウスの額から、完全武装した女神アテネが産まれました。
アテネはゼウスの額から生まれたの?!
バケオ
そうだよ。弟「ディオニュソス」はゼウスのふくらはぎから生まれているんだよ。
著者
ゼウスの性別は男性だけど、いろんなところから産んでいるんだね。
バケオ
そうなんだよ。
自分の身体から子供を産んでいるので、子供は自分の所有物だという考えがあったみたいだね。
著者
女神アテネの性格
(引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
アテネは戦う時には、アイギスの盾とアテネの身長より長い金色の槍を持ち、大きな兜を被っています。
アテネの兜は、アテネの後に控えている100人の兵士が隠れるほど大きいものです。
また、アテネの雄叫びは凄まじくて、勇敢な兵士でさえ一瞬で後ずさりさせる迫力を持っています。
そして、アテネは知性と戦略を使って困難な戦いも勝利しています。
アテネは異母兄弟であり戦いの神「アレス」とは違い、国家や家族を守る戦い・平和を回復するための戦いなどの気高く理性的な戦いを好んでいました。
また、アテネは洞察力があり頭の回転の速い女神ですが、一方で男勝りで気が強く自由奔放でプライドが高いという面があります。
そして、メデューサの首を自分の盾として使うという恐ろしい一面も持っています。
ゼウスと神々の女王「ヘラ」の息子であるアレスは、人間で例えるなら嫡男や皇太子にあたります。
つまり、アレスはオリュンポス十二神の中で、最も由緒正しい血筋のエリートになるのです。
しかし、アレスは戦地では戦士たちを煽り立て、残忍で悲惨な戦いを好んでいました。
エリートの血筋でありながら、悲惨な戦いを好むアレスは、人間だけでなく神々にも、あまり好まれてはいませんでした。
女神アテネと盟友パラス
海と地震の神「ポセイドン」の息子「海の神トリトン」の娘である「パラス」と、アテネは一緒に育てられていました。
ある時、アテネとパラスがケンカになってしまい、そのまま戦いに突入してしまいました。
パラスがアテネに一撃を与えようとした時に、アテネを守らなければと思ったゼウスが、アイギスの盾を空から差し出しました。
空からの盾にびっくりしたパラスは、アイギスの盾にくくりつけられたメデューサの眼を見てしまい、石になり帰らぬ人になってしまいました。
アテネは盟友を亡くしてしまった事実に酷く悲しみました。
そして、アテネはパラスに似せて「パラディオン」という木像を作りました。
トランプのスペードのクイーンはパラスがモデルだと言われているんだよ!
バケオ
そういえば、クイーンの中でひとりだけ武器を持っているわね。
レベッカ
女神アテネとアイギスの盾
(引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
アイギスの盾はゼウスからアテネがもらったものです。
魔よけの能力を持ち、邪悪な力や災厄などを防ぐことができる盾です。
「私の髪は女神アテネの髪より美しい!」と自慢したポセイドンの愛人「メデューサ」は、アテネの怒りを買ってしまいます。
アテネの力でメデューサの美しい顔は醜い顔に変えられ、美しい髪はヘビの髪に変えられてしまいました。
化け物になってしまったメデューサは、英雄ペルセウスに退治されてしまいます。
メデューサの死後、アテネはメデューサの首を自分の盾として扱おうと考えます。
そこで、鍛冶神へパイトスが作った「アイギスの盾」にメデューサの首を埋め込むのです。
メデューサの首を埋め込んだことによってアイギスの盾は、メデューサの眼を見ることで、石に変えられてしまうという「石化の呪い」を持つ盾になりました。
この盾に由来する軍艦が「イージス艦」なんだよね。
著者
そうだったんだ!
アイギスを英語読みにするとイージスになるものね。
レベッカ
ゼロからわかるギリシャ神話 (文庫ぎんが堂) [ かみゆ歴史編集部 ]
女神アテネと海と地震の神ポセイドン
世界遺産にもなっているアクロポリスの丘のパンテノン神殿には、女神アテネが祀られてるのよ。
レベッカ
でも簡単にアテネがこのアナテイの土地を手に入れたんじゃないんでしょ?
バケオ
そうよ。ゼウスは、自分の娘のアテネと自分の兄弟であるポセイドン、それもオリュンポス十二神同士で戦争させるわけにはいかなかったからね(笑)
レベッカ
ゼウスは、アテネとポセイドンにある提案をしました。
それは、「このアッティカの住民に、より良い贈り物をした方にこの土地をゆだねる」というものでした。
ポセイドンは、自分の三叉の鉾で地面を突き刺して人間に必要な塩分(ミネラル)が含まれている泉を作りました
はげしい戦争や労働での疲れを取る塩分の泉は住民に喜ばれました。
一方アテネは、自慢の槍で地面を突き刺してギリシャ人の生活には欠かすことができないオリーブの森を作りました。
オリーブは痛みを和らげ、食糧にもなるし宗教の儀式に必要なもので、なおかつ闇夜を照らす光にもなると住民に喜ばれました。
ゼウスを含むオリュンポスの神々は、「乾燥の強いこの地にはオリーブの方が住民のためになる」という結論に達し、アテネの勝利となりました。
この話は、このままアテナイ都市国家成立の神話として存在しています。
女神アテネとアラクネ
リュディア(現在のトルコ西部)に住むアラクネは見事な織物を作るだけでなく、織物を作っているその姿さえも美しいと言われていました。
アラクネのおる織物は本当に美しくて、アテネの弟子じゃないか?!って噂されてたんでしょ?
バケオ
そうなのよ。
けどアラクネは「アテネの弟子」と言われることを極端に嫌っていたのよ。
レベッカ
そして、アラクネは何を思ったのか「女神アテネと勝負してみたい!負けたらどんな報いでも受けるわ!」と言い放っていました。
当然アテネは機嫌を損ねてしまいます。
アテネは老婆に化けて、アラクネに忠告しに行きました。
「同じ人間同士で勝負しなさい。決して女神様と争ってはいけませんよ。前に言ったことを女神様に許してもらうように。女神様は慈悲深い方だからきっと許してくださるでしょう。」
しかし、アラクネはそんな老婆の忠告も聞かずに「今すぐに勝負したいんです!」と言い出しました。
そこで、アテネは老婆から女神の姿に戻りました。
そして、女神アテネと人間のアラクネの織物の勝負が始まりました。
アラクネの技術はとても素晴らしく、アテネに引けを取らないぐらい素晴らしい織物を作りました。
アテネはポセイドンとの争いをモチーフにした織物を作りました。
素晴らしい織物ができたアラクネは調子に乗ってしまったのでしょう、神々の失敗や過ちをモチーフにしたものも作りはじめました。
その織物は、アラクネの神々への不信感や不敬の心の表われでした。
アテネはアラクネの技術には感心していましたが、神々への侮辱には腹立たしさを感じていました。
そして、アテネは手にしたアラクネの織物をズタズタに引き裂き、アラクネの思い上がりを理解させようと額に手を当てました。
しかし、アラクネは反省することもなく、織物を引き裂かれ、額に手を当てられた屈辱に耐えきれず首をくくりました。
するとアテネは、その紐に手をかけアラクネが自分の思い上がりを忘れないように、永遠にぶら下がり続けるようにとアラクネを蜘蛛に変えてしまいました。
女神アテネの子エリクトニオス
処女神であるはずのアテネですが、ヘパイストスとの子「エリクトニオス」を産みます。
愛と美の性の女神「アプロディーテ」を妻とするヘパイストスですが、結婚生活がうまくいっていませんでした。
アプロディーテと不仲なヘパイストスは、自分の中の感情を持て余していました。
そんな時に、アテネが武器の発注のために叔父であるヘパイストスのもとを訪れました。
ヘパイストスは自分の感情に任せて、アテネを襲ってしまうのです。
ヘパイストスはアテネの叔父さんなのにな・・・
著者
アテネは必死に純潔を守ったのですが、足にヘパイストスの体液がかかってしまいました。
アテネは羊皮で足を拭き取り、その羊皮を地面に捨てたのです。
すると、羊皮を捨てた地面から「エリクトニオス」が産まれたのです。
大地から生まれたということで、エリクトニオスは上半身は人間・下半身はヘビの形をしていました。
その当時、アテナイを支配していたケプロクス王の3人の娘に「絶対見ないように」と言いアテネは、箱に入れたエリクトニオスを預けました。
しかし、好奇心を抑えきれなかった娘たちは箱を開けてしまいます。
見るなって言われたら、余計見たくなるよね(笑)
バケオ
そして箱の中の奇妙なエリクトニオスを見てしまい驚愕のあまり発狂して、崖から身を投げて亡くなってしまいます。
その後、エリクトニオスはアテーナー神殿で、アテネの手によって育てられます。
大人になったエリクトニオスはケプロクス王から王位を継ぎ、アテナイの王になります。
また、エリクトニオスは父であるヘパイストスの元で修業し、馬で引く「ギリシャ戦車」を発明しています。
まとめ
私は、ゲームや神話の小説で「女神アテネ」のことを知っていたのですが、知っていたのは「戦いの女神」という部分だけだったようです(笑)
オリュンポス十二神の中でも、知恵・芸術・工芸・戦略といった多彩な才能があったんですね。
そしてアテネは美しい女神だったと、ギリシャ神話にも書かれています。
多彩な才能や美貌は、両親から受け継いだものなのでしょうが、人間のためにうまく使われているように感じました。
何にでも使えるオリーブの森を造ったり、思い上がりを悟らせるために額に手を当てたり・・・
相手のことを思いやり、相手にとってどう対応すればいいのかという頭の回転の良さにはびっくりさせられます。
「女神アテネ」=「戦いの女神」という部分でしか見ていなかったのですが、いろいろ調べていくうちに意外な一面を見せてもらいました。
ギリシャ神話も、まだまだ知らない神話がたくさんあると思います。
神話を読むことで「自分自身何か気付けることがあるのでは?」と思えるような「女神アテネ」との出会いだったように感じます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。