言語の難易度ランキングトップ5!習得が難しいと言われる日本語は何位?

様々なきっかけで新しい言語を学ぶことがあるかと思いますが、言語を習得するのってかなりの時間と気力が必要になってきます。
現在国連に加盟している国は190ヵ国以上ある中、世界に存在する言語は大体6900ぐらいと言われています。
国の数に対して言語の数の方が圧倒的に多いんだ
著者
その中でも多くの日本人の様に、1ヵ国語しか話さないモノリンガルは世界の30%だけで実は少数派なんです。
海外では2ヵ国語以上話せるのが当たり前ですが、ここで気になるのが言語習得の難易度。
どの言語も全く同じ様に習得できるわけではなく、言語によっては習得するのに2年以上の時間後費やす覚悟が必要です。
今回は英語をネイティブとする人から見た言語の難易度ランキングをご紹介します。
英語ネイティブから見る難易度の基準
よく外国人の方が「日本語は難しい」って言っているのを聞いたことありませんか?
テレビなんかで聞いたことあるな
バケオ
でも日本語を母国語としている私たちからするとイマイチ難しさが理解できないですよね。
アメリカ国務省に外務職員局(FSI)という外交官や専門職を養成する機関があります。
ここでは外交官に必要な言語力を習得するために70ヵ国語以上の授業が用意されており、昨年「英語を母国語とする人が外国語を取得するのに費やた時間」を元に難易度を5つのカテゴリーに分け発表しました。
ここで言う「習得」とは日常的、専門的コミュニケーションに不自由しないレベルまで達したことを表します。
今回はこちらを参考に難易度ランキングをご紹介したいと思いますが、その前にFSIが分けた5つのカテゴリーがそれぞれ習得にどのくらいの時間を費やすのかみてみましょう。
- カテゴリー1 23-24週間
- カテゴリー2 30週間
- カテゴリー3 36週間
- カテゴリー4 44週間
- カテゴリー5 88週間
カテゴリー5は習得に最低88週間かかると言われているんだ
著者
一番簡単なカテゴリー1には英語と同じルーツを持っているデンマーク語やオランダ語が入っています。
また、ラテン語が基本となっているフランス語やイタリア語も親しみある言語なので、半年もあれば流ちょうに話せると言われ、習得するのにさほど苦労しないでしょう。
反対にカテゴリー5には英語には全く馴染みのない文法や発音が使われている言語が入っています。
カテゴリー5にはいったいどんな言語が入っているんだろう
バケオ
難易度ランキング
はたして私たちの母国語である日本語はどのくらい難しいのでしょうか?
さっそく主要言語で習得するのが難しい言語をランキング形式でみていきましょう。
5位 ポーランド語 カテゴリー4
- ネイティブスピーカー 約5000万人
カテゴリー4に入ったポーランド語は英語と同じラテンアルファベットを使用しています。
文字が同じなので習得するのも簡単そうに思えますが、英語ネイティブからすると習得するのに難しい言語とされています。
その理由としてスペルと発音の難しさが挙げられています。
同じラテンアルファベットを使用していても、スペルが全く違うため読むことができないのです。
そしてポーランド語は発音のルールが他の言語よりも多いため、覚えなくてはいけないことが多いのです。
また、ポーランド語はフランス語の様に女性名詞、男性名詞、中性名詞がありますが、これに加えて名詞や形容詞の活用が多すぎることも難しさの一因です。
こちらは日本語の「てにをは」と仕組みは同じですが、バリエーションが多いので日本人にとっても習得するのが難しい言語と言えるでしょう。
4位 ロシア語 カテゴリー4
- ネイティブスピーカー 約1億8000万人
次にランクインしたのがこちらもカテゴリー4に入ったロシア語です。
実はロシア語の中にはいくつも英語とフランス語の単語が入っているので、ロシア語に使われているキリルアルファベットを覚えれば、いくつかの語彙を英語ネイティブは理解することができます。
しかし発音は別です。
キリルアルファベットの中にはラテンアルファベットに馴染みのある文字もありますが、発音が全くことなります。
そして子音連結と言って母音を間に挟まない子音の集まりがあります。
こちらも英語には馴染みがないので発音がとても難しいです。
日本語も子音だけで発音することはないよね?
バケオ
そうだね。かならず母音である「a・i・u・e・o」とくっついてるから、子音だけ発音するのって馴染みがないね
著者
また、ポーランド語ほど文法は難しくありませんが、英語で言うBe動詞がロシア語にはないので慣れない間はずっと間違えてしまいます。
I am a studentをI studentと様に表すので、ロシア語初心者が頭を抱える原因になります。
自分だったらついつい癖でBe動詞入れちゃうだろうな
バケオ
3位 日本語 カテゴリー5
- ネイティブスピーカー 約1億3400万人
英語ネイティブに難易度が高いと認定された日本語。
発音はそれほど難しくないのですが、ひらがな・カタカナ・漢字といった複数の文字表記があるため、読み書きを流ちょうに出来るようになるのにかなりの時間が必要です。
また、主語を略したり「あなた(you)」という代名詞でさえ、話す相手によって異なる言い方をするので、私たちにとっては普通の会話でも英語ネイティブからすると理解が難しいのです。
具体的にどこが難しいのかは後ほどご紹介したいと思います。
2位 アラビア語 カテゴリー5
- ネイティブスピーカー 約2億3000万人
中東一帯、それからアフリカ北部及び北東部で使用されているアラビア語は英語と共通する単語は殆どありません。
英語だけでなく東アジアの言語からもヨーロッパの言語からもかけ離れています。
どの言語からでもアラビア語は習得が難しいと言われているよ。
著者
右から左に書くあの蛇のようにクニャクニャとした文字は覚えるのはさほど難しくはありませんが、アラビア語は母音を省略するので流ちょうに話して書くとなると困難を極めます。
そのためアメリカではアラビア語が話せる人材が不足しており、政府関係の仕事に就きたい場合はアラビア語ができるだけで道が開けると言われています。
1位 中国語 カテゴリー5
- ネイティブスピーカー 約13億7000万人
堂々の1位にランクインしたのが中国語です。
難しい理由として挙げられるのがやはり漢字の存在。
複雑で覚えなきゃいけない数が多いので、英語ネイティブからすると憂鬱になってくるでしょう。
中国語は主に北京語と広東語があり、中国北部及び南西部で使われている北京語は数千の文字が使われている複雑な文字体系をしています。
広東語は主に中国南部や香港で話されていますが、ネイティブスピーカーの人数は北京語よりも圧倒的に少ないです。
皆さんが「中国語」と言う場合はほとんど北京語を指しています。
そしてどちらも習得する難易度は高いです。
北京語は同じ単語でもイントネーションの違いにより意味が分かれ、トーンの種類は4つあります。
広東語にいたっては北京語よりも多く8つの異なるトーンがあるのです。
雨と飴みたいな感じかな
バケオ
多くの人が世界中で北京語を話しているので、習得したらとても便利そうですが習得するのは容易ではないでしょう。
何故日本語はこんなに難しいの?
FSIから言語習得が難しいカテゴリー5に分類された日本語ですが、具体的にどういったところが英語ネイティブにとって難しいのでしょうか?
普段気にせず日本語を使ってるからよくわからないな
著者
中国語と同じで漢字が難しいのかな?
バケオ
- オノマトペ
オノマトペとは物事の状態や自然界の音などを言葉で表現する擬音語のことをいいます。
日本の漫画にはよく「わー!」などオノマトペが使われますが、英語に訳されるとき日本語のまま場合があります。
例えば静かなとき「シーン」と表すことがありますが、こちらは英語にはない表現なので訳せません。
音がない状態を表す擬音語って、よく考えると変だよね。
バケオ
日常生活でもよく使われるオノマトペだけでも600以上と言われ、そのほとんどが英語に訳せないので英語ネイティブには理解が難しいと言えるでしょう。
- 主語の省略とあいまいな記述
A「明日ごはんどうする?」
B「この間行ったレストランにまた行きたい。」
A「あんまりお金がないから、別のとこにしようよ」
B「いいよ。そういえば買い物しすぎたって言ってたね。」
こちらは普段している何気ない会話ですが、主語が全て抜けています。
私たちは慣れているので抜けた主語が何か分かりますが、そのような習慣がない英語ネイティブにはさっぱり理解ができない会話となります。
もちろん英語でも友達同士の会話で主語が明らかなときは主語を抜く時はあります。
しかし日本の主語省略は英語より自由度が高く、書き言葉でも省略され文脈から主語を読み取ることを要求します。
これが中々難しく、日本語の本を英語に訳している翻訳家が一番難しいと感じる部分です。
- 必要な語彙数
日本語で日常会話に必要な語彙数って知ってますか?
実はその数8000~10000語と言われ、必須語彙数が2600~2700語の英語と比べると圧倒的な多さです。
これらはひらがな・カタカナ・漢字といった複数の文字表記があるからです。
また、日本人は言葉遊びを好む民族なので日々新しい言葉が作られていきます。
今の若い子が使っている言葉が大人になってから分からない、なんてことはありませんか?
日本語で友達と会話するだけでも沢山の語彙を覚えなきゃいけないのです。
まとめ
英語ネイティブから難しい言語と認定された日本語ですが、実際どのような部分が難しいのか改めて見ると納得する部分があるのではないでしょうか。
あいまいな表現を好んだり新しい言葉をどんどん作ったり、言語からでも日本人の民族性が見えてきます。
外国語を学ぶことはその国の文化を学ぶことにもなり、違う目線を手に入れることにも繋がります。
もし今外国語を勉強しているのであれば、ただ言葉を覚えるのではなく文化を知るためのツールとして勉強してみてはどうでしょうか。